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見ず知らず 二話


 それから数日、愛美は以前よりも態度が優しくなった祐介と毎日のようにSNSでやり取りをしていた。

 もちろん、祐介のタイムラインの監視も忘れない。とくに細かく監視をする対象は、やはり香織だった。祐介とやり取りをしている女は愛美と香織しかおらず、嫌でも目につく。

 この日も、自身はいつも通り祐介とやり取りをしながらも、祐介と香織のやり取りを数時間遡ってチェックしていた。

(媚売っちゃってるな、こいつ)

 そう思いながら画面をスクロールしていく。時折、祐介からメッセージがくるとそれに返信し、また監視を続ける。

(晩ごはんの写真にわざわざ手が写ってるし、必死か)

 香織が二分前に夕飯の写真を送っているところで、今日のやり取りは終わっている。少し待てばこれに祐介が返信し、それに香織が、とまだまだやり取りを繰り返すのだろう。

 祐介からのメッセージに返信しながら、二人のやり取りをリアルタイムで監視していたが、画面の更新ボタンを押した瞬間、香織のプロフィール画像が変わった。

(え、なにこれ)

 香織の名前の横にはこれまでとは違った、香織本人と思われる女の写真が載っていた。

 印象は以前のものに比べると明るく、隠れていた口元が見えていた。やはり、中々に可愛い。

「写真変えてみた〜」

 画面にはすぐさま、香織から祐介へのメッセージが表示された。

「だいぶ印象変わったけど、やっぱり可愛いね」

 祐介が返信している。

 愛美がプロフィール画像を変えてから、そこまで日は経っていない。祐介と愛美のやり取りは当然香織も見ることが出来る。

(私を意識してるんじゃない?)

 事実、愛美が写真を載せた日、祐介は愛美につきっきりで、香織との返信の頻度には少し差があった。香織が祐介を盗られると思っても自然だ。愛美はそう思った。ネット上の関係に過ぎないのだが、愛美はすでに現実の恋愛に当てはめている。

(あっちがその気なら、こっちだって)

 愛美はすぐに携帯で自分の写真を撮り始めた。例によって何十枚も撮り、気に入った一枚を決める。それを加工するのにまた数日かけた。今回はもう経験済みなこともあって、前回よりも早い。

 写真は以前のものよりも明るい雰囲気で、口元も出した。かなりの加工が施されており、本人も納得の出来だった。

 早速それをプロフィール画像に設定した。香織が新しい写真を載せてから五日が経過していた。

「お、写真変えたんだ」

 すぐに祐介が反応した。

「そうだよ、どうかな?」

「前のよりいいと思う、愛美可愛いよね」

愛美はパソコンの前で思わずガッツポーズをした。見たところ、香織はログインしているらしい。

(香織もこのやり取り見てるんだろうなー、ざまあみろ)

 愛美は満足だった。別に香織が見ているという保証はないのだが。



 しかしどうも、香織は愛美のことを意識しているらしい。愛美の中でそれが確信に変わったのは、愛美が写真を新しいものに変えてから三日後だった。

 愛美がいつものように家に帰ってパソコンでSNSをチェックすると、また香織のプロフィール画像が変わっていた。

(こいつ、また……)

 愛美は苛立ちを抑えながら、自然に祐介と香織とのやり取りを遡った。どうやら一時間程前に写真を変え、それを祐介に報告している。

 写真自体は以前のものとあまり変わらない。表情と角度が違うだけだが、やはり新鮮なぶん、祐介の反応は好意的だった。

(負けてられない)

 愛美はまた写真を撮り、厳選し、加工する作業に入った。

 実際に愛美が写真を変え終えたのは、その二日後だった。暇な時間が多かったことや、これまでの経験も手伝って、以前より随分と早い。出来上がりもこれまでより自信があった。

 すぐに祐介に報告した。

「ちょっと写真変えてみたよー、どうかな?祐介に不評ならまた前のに戻すかも」

「おー、いいんじゃない?最近画像変えるの流行ってるの?」

 まずまずの反応が得られた。だが愛美はそんなことよりも、香織がどうでてくるかが気がかりだった。



 一週間後、やはり香織は、またしても新しい写真を用意していた。愛美が家に帰るとすでに写真は変更されていた。それどころか、愛美にとって気になる投稿があった。

「最近張り合ってくるやつがいて疲れる」

 香織の投稿だった。特に誰かに向けて発信したものではない、所為「つぶやき」のようなもので、誰でも見ることが出来る。

(これ私のことかな……)

 愛美がそう考えるのも無理はなかった。

(張り合ってくるのはどっちよ)

 苛立ちを抑えて、とりあえず飲み物を口に含んだ。

 愛美は落ち着くとまた写真を取り始めた。このつぶやきを読んで引き下がったと思われるのは、愛美のプライドが許さなかった。写真の厳選、加工は一日で終わり、問題の投稿があった次の日にはもう新しい写真に変更した。

 そしていつものことながら、新しい写真に対する祐介の反応は良かった。

 自分の顔を褒められることで、祐介の好意を確認し、香織への優越感を得る。愛美はこれにすっかりはまってしまった。しかし香織も同じ手を打ってくる。祐介を盗られ、香織への劣等感を覚える。もうやめられなかった。



 愛美が写真を変え、祐介とやり取りを始めた直後だった。

「あーもう、めんどくさいなー」

 香織が投稿した。つぶやきのようなもので、特に誰かに当てられたものではない。しかし、

(また……、これ、明らかに私に言ってるよね)

 愛美はそう思った。確信したと言っていい。前回のこともあり、このまま引き下がるわけにはいかなかった。

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No title

段々とお互いに対する悪感情が溜まってますね
直接対決する時が楽しみです

No title

とても面白いです!
続きを楽しみにお待ちしています(^^♪

とても面白いです!
次の更新楽しみにしてます!!

Re: No title

> 段々とお互いに対する悪感情が溜まってますね
> 直接対決する時が楽しみです


コメントありがとうございます。
直接会うのは何話先になるか分かりませんので気長にお待ちください。

Re: No title

> とても面白いです!
> 続きを楽しみにお待ちしています(^^♪

モッチさん、コメントありがとうございます。
更新頑張りますのでよろしくお願いします。

Re: タイトルなし

> とても面白いです!
> 次の更新楽しみにしてます!!

コメントありがとうございます。
更新頑張りますのでよろしくお願いします。
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Author:デジタル
キャットファイトの小説を書いていこうかと思います。

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