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闘雀 1

 お久しぶりです。とりあえず更新していく目処が立ったので投稿させていただきます。今回のものを「1」とし、「3」で完結の予定です。短く抑えたために展開が早くて雑なところもありますがご了承ください。

 また今回の「闘雀」が完結した後は、以前にも触れたんですが「オタサーの姫」という以前書いていたもののリメイクを投稿しようと思っています。ただあまりにも内容が以前のものに近いと、書いている私としてもモチベーションの維持が難しいので、いろいろ設定は変えていく予定です。もはやリメイクでもないような気がしますが、これもご了承ください。

 その後のことに関しては全くの未定です。なにもネタがないので意見、リクエスト等いただけたらありがたいです。

 それでは、よろしくお願いします。





 春もすぎ、夏がすぐそこまでやってきている。赤木真由が高校に入学してから、2か月が過ぎた。

 人付き合いが苦手な真由は、新しい環境に馴染めるか不安でいっぱいだった。今までろくに友達がいたことがない。いつも1人で過ごしていた彼女にとっては、この不安は当然だった。

 だがそんな彼女にも、すぐ友達ができた。井崎里香という女だ。入学してすぐの2泊3日の合宿、その初日の夕食の時間に出会った。食事の乗ったおぼんを両手に、どこに座ろうかとうろうろしていた里香に、すかさず声をかけた。

 そのあと一緒に夕食をとったが、話していくなかで意気投合した。驚くほど、境遇が似ていた。

 コミュニケーションをとるのが苦手なこと、友達がいないこと、そのせいで中学校を休みがちだったこと、他にも共通点は多かった。どことなく、外見も似ている。

 合宿が終わってからも、2人の関係は良好だった。真由は1組で里香は2組だから授業は別々だったが、休憩時間のたびにどちらかがどちらかの教室に遊びにきたし、昼食も一緒にとった。学校が終わると一緒に帰り、そのまま出かけにいくこともあった。

 真由も里香も互いに、久しぶりにできた友達に少し興奮していた。弁当箱や筆箱、財布なども一緒に買いに出かけて、おそろいの物を使うようにした。ただの友達としては、少しいき過ぎている感もあったが、少なくともこの時点では、2人は気にならなかった。



 この日、2人は昼食を終えると廊下に設置されている掲示板に向かっていた。この学校では、学年ごとに定期テストの総得点による順位が張り出される。

 2人が掲示板の前に着くと、何人かの同学年の生徒が人だかりをつくっていた。2人はそれらの後ろから、張り出されている順位表に目を凝らした。

「里香ちゃん、あった?」

「んー、あ、あったよほら」

 里香が順位表を指差す。

「51位だって」

 51位には真由の名前があった。そのすぐ下、52位には里香の名前がある。学力も同程度らしい。

「おー、点数同じくらいなんだね」

「そうだね、次は負けないよ」

 2人は向かい合い、互いの手を合わせてはしゃいだ。そんな2人の前を、1人の男が通った。

「あ、里香ちゃん。山田君いるよ」

 真由がささやく。

 この山田という男は、里香の想い人だった。2人は仲良くなってから、恋愛の相談などもよくした。

 2人は他にも、身の周りの多くのことを打ち明け合い、相談し合っていた。それは、周りが恋愛の話しを始め、彼女達自身も恋愛に興味がでてきた時期には、すでに友達がおらず、すべてを自分の中に飲み込むしかなかったことの反動かもしれなかった。

 初めて腹を割って話せる友達ができたことの喜びからか、2人はなんでも言い合い、どんな些細なことも互いに報告し、相談した。内容は様々で、恋愛のことはもちろん、時には性に関するものもあった。



 定期テストの順位を見た日から2日が過ぎた。

 この日、4時間目の授業が終わると、真由はすぐロッカーから弁当箱を取り出すと、里香のいる2組に向かうため、教室を出た。

 そこでばったり里香と出くわした。いつも授業が早く終わったほうが相手の教室にいくことになっている。

「里香ちゃん、今教室いこうとしてたところだよ」

 真由はそう言うと、弁当を見せて笑った。

「私もだよ」

 と、里香も笑う。

「私のほうが早く出たから、今日は里香ちゃんの机で食べようか」

「えー、私のほうが早かったよ」

 2人は廊下で軽く体を押し合いじゃれていたが、結局じゃんけんで決めることになり、真由が負けた。

「じゃあ真由ちゃんの席ね」

 里香はそう言うと、真由の手を握り、2人で1組に入った。

 真由の机を挟むように2人で向かい合い、おそろいの弁当箱を広げる。いつものように喋りながら昼食をとっている2人の横を、たまたま他の女子生徒のグループが通りかかった。

「あれ? 赤木さん?」

 そのグループのリーダー格と思われる女が声をかけてきた。赤木さんと呼ばれた真由は、特にこの女と会話をしたことはない。

「え、なに?」

 急なことで舌が回らなかったが、かろうじて声が出た。

「お友達? 似てるなーと思って」

 その女は、真由と里香に交互に視線を送った。

「うん、似てる似てる」

 女の取り巻きが同調する。

「2組の井崎里香です」

 里香が細い声で応えた。

「へー、姉妹みたいだね」

 と、女が言った。真由と里香は慣れないことだけに愛想笑いしかできない。その後、2、3の言葉をかけて女のグループは賑やかに談笑しながら教室を出ていった。

 周りが静かになり、冷静になってみると、真由の心になにかモヤモヤしたものが残った。

(そんなに似てるかな……?)

 互いに自分達のことを似ていると言うことはあっても、他人に言われたのは初めてだった。里香はなんとなくすっきりしない。だがなぜなのか、その原因は分からない。

 自分達は親友と自負している。似ていると言われるのは嬉しいことのはずなのに、真由はそう思った。

 ふと里香のほうへ目をやると、表情はいつもより暗いような気がした。少なくとも嬉しそうではない。

「似てるだって」

 真由は思い切って口に出した。自分の中のモヤモヤした感情、その原因を里香の反応から見つけたい。

「うん、そうだね」

 里香の答えはそっけない。

(もしかしたら里香も……)

 自分と同じようになにか違和感を感じているのだろうか、真由はそう思った。

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投稿お待ちしてました!!
ありがとうございます!

続きが楽しみです!
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Author:デジタル
キャットファイトの小説を書いていこうかと思います。

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