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女の戦い 戦端 2

 その翌日、クラスの男達の心を鷲掴みにした美優は、余裕をもって家を出た。昨日のことを思えば、由衣のことは警戒するまでもないだろう。由衣が朝早くに教室にはいる、男達はそれを見て由衣の周りに集まる、美優はその後に悠々と登校し、由衣が集めておいた男達の、その視線と興味をかっさらう、これでよかった。

(あんなやつ、私のライバルにはならない)

 女として、由衣に負ける気はしていない。見た目や内面、経験、その全てにおいて勝っている自信があった。だから美優はいそがない。

 美優は余裕をもって学校へ向かった。学校への坂を登る途中、出会った同じクラスの男が声をかけてきた。鞄を持ってくれるというので、遠慮するふりをしながら、持ってもらうことにした。

(これよ、これ。やめられないな)

 自分が大事にされている、間違いなくモテている。快感だった。

 教室へはいると、昨日と同じように手を振りながら、笑顔で挨拶した。やはり、由衣はいた。そしてその周りを男が囲んでいる。

(私のために、ご苦労さま)

 由衣は自分の前座に過ぎない。美優はにこやかに、その輪に近づいた。そして椅子を譲ってくれた1人の男にお礼をいうと、そこに座った。

 美優は昨日と同じように、由衣から男達の意識を引き剥がそうとした。なんといっても経験が違う。適当な話題をだして主導権を握ってしまい、由衣には話を振らないようにする。それと同時に近場にいる男へのボディータッチ、それから楽で無警戒な姿勢をつくり、距離感の近さを演出する。それで上手くいくはずだった。

 だが今日は違った。美優が話をしようとしても、すぐ由衣が戻してしまう。由衣は積極的に発言し、主導権をしっかりと握っている。そして両隣の男をぽんぽん触り、体格がどうのこうのと男を褒めちぎっていた。

 それだけではない。今日の由衣は、なにか雰囲気が違った。

(なんだろう)

 美優はなんとなく違和感を覚えた。その時、由衣が脚を組み変えた。それを見て、気づいた。スカートが短くなっている。昨日は膝が隠れるくらいであったのに、今日は膝よりも上に裾がある。周りの男がちらちらと由衣の脚を見ていることも、美優は気がついた。

(あんな太くて短い脚の、どこがいいんだか)

 由衣は明らかに、狙って脚をだしているし、見せつけていた。

 チャイムがなる。男達はぞろぞろと席に戻っていく。美優はそれらを見送った後、ゆっくりと立ち上がった。それを見て、由衣が声をかけてきた。

「おつかれー。思い通りにいかなくて残念だったね」

 由衣が美優を意識しているのは明らかだった。負けられない、そう思った。美優は顔を由衣に近づけると、ささやくように言った。

「おとなしく私の引き立て役やってればいいのに」

「引き立て役になるのはどっちだろうね」

 言葉を交わすと、美優はすっと離れて席に戻った。イライラがおさまらない。

 朝の休憩が終わり、読書の時間をむかえた。由衣は、本をだして読むふりをしていたが、頭の中では先程までのことを振り返っていた。

 昨日の朝、美優に邪魔をされてからというもの、由衣の心は晴れなかった。だが今日は違った。色々と悩み、1つの結果を得たからだ。

 それは、美優の真似をするということだった。美優が積極的に男に話しかけ、手を触れているのを見て、これをやろうと決めた。恥をかいてもいい、思い切っていこうと思った。加えて、男の目をひこうとした。脚を露出することで、視覚的に優位に立とうとした。

 結果は、上手くいったといえるだろう。美優の邪魔をするというところまではいかなかったが、思い通りにはさせなかった。客観的にどちらが男の気を引いたかといえば、差はなかっただろうが、惨敗だった昨日に比べると、十分満足できる結果だといえる。

 だが、明日はどうなるか。美優がなにをしてくるかわからない。

 しかし由衣には、自信もあった。自分と美優を比べた時、絶対に自分のほうが可愛いという自信だ。結局最後は、どんな小細工よりも顔が明暗をわけるだろう、由衣はそう思った。

 だがその美優のほうは、由衣のほうが可愛いなどとは思っていない。美優は本を読むふりをしながら、イライラした気持ちをおさえていた。そしてその気持ちは、簡単に落ち着いた。理由は簡単だ。全てにおいて由衣よりも自分のほうが勝っている、その自信があるからだった。

 由衣がなにをしてこようが、自分のほうが魅力的な女だという事実は揺らがない。結局、男は自分になびくに違いない。美優に由衣にとふらふらしている男達は、まだ自分の魅力に気づいていないだけだ、そう思った。

 だが男達がそれに気づくまで、由衣に好き勝手にさせておくのもおもしろくない。

(あいつを叩き潰して、どっちが上かわからせてやる)

 美優はやる気に満ち溢れていた。

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非公開コメント

更新ありがとうございます!
楽しみにしていました。
盛り上がってきましたね、これからどうなっていくか楽しみです!!

No title

つづき楽しみです!

相変わらずすばらしい心理描写ですね!

No title

期待です
更新頑張ってください
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Author:デジタル
キャットファイトの小説を書いていこうかと思います。

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