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女の戦い 海 1

 2人が教室で戦った日の翌朝、美優は鏡の前に立ち、顔にできたあざを確認していた。

(あいつのせいで)

 思い出すたびに腹が立ち、夜も眠れなかった。あざのある顔で学校へはいきたくない、美優は自分で欠席の連絡をいれた。

 その日のうちに同級生に連絡をとった。聞けば、由衣も休んだらしい。理由はおそらく同じだろう。あの日、美優は由衣のパンチをもろにくらい、突き飛ばされた拍子に頭を打ち、目眩で立てなくなった。ぐらつく視界の中で、由衣が帰っていく後ろ姿を見た。

 次会った時、由衣は自分の勝ちを主張してくるだろう。だが美優にいわせてみれば、あんなものは負けでもなんでもない。教師が近づいてくる切羽詰まった状況で、どちらが先に手を離すか、その口論に近い交渉の最中におこなわれた不意打ちであり、まっとうにやっていれば少なくともあんな倒れ方はしないはずだった。

(あの卑怯者)

 美優は早くあざが治ることを祈っていたが、それから1週間たち、ようやく学校へいくことにした。

 やはり早めに家をでて、バス停で待つ。5分ほどで到着したバスの後ろの窓に、由衣がいるのが見えた。美優は、由衣がいつもこの時間に乗っていることを知っている。

 バスに乗り込むと、すぐ後ろに移動する。由衣はバス停でまっている美優に気づいただろうが、自分の席に向かってくる美優に、気づかないふりで窓の外を見上げている。

「ここ、いいよね?」

 美優の言葉に由衣は反応しなかったが、無言の抵抗なのか、窓よりも少し通路側に寄っている。

 だがそんなことには構わず、美優はその狭いスペースに尻をねじ込んだ。隣から、舌打ちが聞こえる。それに対抗して美優も強くため息を吐き捨てた。

「ため息やめてくれる? また殴り倒されたいの?」

 と、由衣は窓の外から視線を外さず吐き捨てた。美優も特に由衣のほうは見ずに言い返す。

「いっとくけど、負けてないから」

「ぶっ倒れたくせに。白目むいてたよ、写真撮ってやればよかったかな」

 由衣が笑った。

「あんな卑怯なことしといて、勝った気でいるんだ」

「喧嘩の最中なんだから卑怯もなにもないよね」

「あの時はストップしてたから、あんたの不意打ちでしょ。あれがなかったらなぁ」

「なかったらなんなの? もう1回相手してやってもいいんだよ?」

 由衣が、美優の方を向いた。

「いいよ、やっても」

 美優はそういったが、ここで会話は途切れた。由衣はまた視線を窓の外に移した。

 美優としても、すぐにやる気はない。

 バスを降りると、2人は競うことなく、並んで歩いた。ただ、別に会話をするでもなく、黙々と坂を上った。



 ところで、教室で喧嘩があったのは5月の末である。2人が休んでいる間に、6月になっていた。夏休みは7月の中旬からだが、2人が1週間ぶりに登校したこの日の昼休憩に、美優は由衣と揃って同級生に呼び出された。あと1か月と迫った夏休みに、みんなで海に行く計画があるという。クラス全員というわけではないが、少なくとも現時点で8人はすでに参加を決めているようだ。2人はこれに誘われた。

 順当にいけばクラスの半数が参加するかもしれない。多くの男に、自分と由衣との差を見せつけられる。美優は体に自信があった。断る理由はない。

「えー、もちろんいくよ。楽しみ!」

 誘われた瞬間、即座に参加を決めた。由衣も同じように了承している。

 だが、水着である。美優は基本的にそうなのだが、自分が由衣より劣っているとはつゆ程も思っていない。今回の場合も、明らかにスタイルで勝っていると確信している。

(ちんちくりんのくせに、やめといたほうがいいんじゃない?)

 この時ばかりは、この子柄なライバルに同情した。

 だが由衣のほうは、特に自分のスタイルを悲観してはいない。むしろ、胸や脚には自信があった。由衣からすれば、逆に美優のほうこそ悲惨だった。喧嘩の時に、美優の体の重さ、肉の厚さをその身で知っている。

(デブなんだから、無理しないほうがいいんじゃない?)

 と、思わず心配した。

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楽しみにしてました!
水着ファイトになるのでしょうか??
次の更新楽しみです

Re: タイトルなし

ぽんさん、いつもコメントありがとうございます。

> 楽しみにしてました!
> 水着ファイトになるのでしょうか??
> 次の更新楽しみです

できるだけ早く更新するつもりです。遅くとも2週間以内にと準備しています。

水着ファイト楽しみです!♪

Re: タイトルなし

> 水着ファイト楽しみです!♪

おおっさん、コメントありがとうございます。更新頑張ります。
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キャットファイトの小説を書いていこうかと思います。

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