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女の戦い 海 2

 夏休みにはいり、海にいく約束の日がきた。

 由衣はTシャツにホットパンツ、サンダルを履くと、待ち合わせ場所に早めに着くべく、家をでた。

 由衣はこの日のために、新たに水着を買った。色々悩んだ結果、ピンクが基調の、オーソドックスな三角のビキニにした。胸にひらひらが付いているものや、下がホットパンツ型になっているものもあったが、体には自信があったし、美優に負けたくない一心で、露出が多めで飾り気のないシンプルなものを選んだ。

 待ち合わせ場所として指定された駅には、自転車で向かった。10分の距離であり、すぐについた。すでにほとんどの人数が待っており、由衣は小走りで駆け寄った。

「ごめん、遅かったかな?」

 近づくなりすぐ謝ったが、当然誰も責めない。男達は由衣の持っていた鞄を持ってくれようとし、それから口々に由衣の私服を褒めた。

 そのすぐ後に、美優がきた。ミニスカートのワンピースを着ている。ノースリーブで肩を露出していた。スカート丈は思いきって短く、膝から10センチより上で、足元はサンダルだった。

 美優と目があった。美優は男達にニコニコと挨拶しながら、まっさきに由衣の隣に立った。着ているものは違うが、露出の度合いはそう変わらない。

 2人並んで男達と会話をしていたが、少し遅れてきたやってきた男に全員の注意が向かうと、美優が顔を由衣に寄せてささやいてきた。

「無理しちゃって」

 おそらく、露出のことをいっているのだろう、由衣はすぐ言い返した。

「あんたこそ、ここにくるときに太ももがぶるぶる揺れてたよ」

「こんな腕しといてよくいうね」

 美優は由衣の二の腕をつまんでいった。だがつまむというよりつねるのに近く、指に力がはいっている。

「あんたのよりはましだと思うけど?」

 由衣もすぐ、美優の二の腕をつねり返した。2人は手に力を込めて、ぎゅっとつねり合う。

 男達が2人のほうを振り向いた。2人はさっと手を離す。どうやら全員集まったらしい、由衣達は、電車に乗った。

 20分ほど揺られていくと1つの無人駅に着いた。すぐ近くに、海水浴場がある。

「ついたー。あんまり人いないね」

 由衣は真っ先に電車を降りた。海岸が見えるが、親子連れが5組ほど散らばっている以外は、海水浴客の姿はない。

「ここは人少ないんだよね。もう1つ向こうの駅で降りたところだとバーベキュー場と公園があって、そっちに人が集まるみたい」

 美優が、由衣のすぐ後に電車を降りた。それから男が続々と降りてくる。

 どの辺にシートを敷こうかと話をしながら、ぞろぞろと歩いていく。そして脱衣所の建物の前で、男女に別れた。

 中にはいると、左手にロッカー、右手に脱衣所があった。他に人はいない。由衣と美優は1つ間をあけて、ロッカーに荷物をいれる。500円玉をいれると鍵がかけられ、鍵を開けるといれた硬貨が戻ってくるタイプのロッカーだった。

 由衣がそのロッカーにいれた鞄からがさがさと水着を取り出していると、美優が話しかけてきた。

「そういえば由衣、上にTシャツ着るの?」

「ううん、とりあえずは、水着だけだよ」

 由衣は自分の手元から目を離さずにいった。美優もこちらを見てなかったからだ。だがこの由衣の言葉を聞くと、美優はこちらに顔を向けてきた。そして、由衣の頭から足までぐるっと見た後、

「その体で?」

 と、鼻で笑った。由衣はすぐ腹をたてた。美優を見ると、手に水着を持っていたので、

「それ着るの? やめたほうがいいんじゃない?」

 と、言い返した。

「あんたよりは自信あるから、まあ見てなよ」

 美優が睨んでくる。由衣も睨み返した。

「私だってあんたより自信あるし」

 2人は、ふんっと相手から目線を外すと、水着を持って脱衣所へ歩いた。並んで歩き、それぞれ隣同士の個室のカーテンに手をかけると、もう一度、キッと相手を睨んでから中にはいり、シャッと勢いよくカーテンを閉めた。

(あのクソデブ)

 由衣は、隣にいる美優を壁越しに睨むと、着ていたものをさっさと脱いで、水着に着替えた。日焼け防止にTシャツも用意していたが、美優にけなされるのが癪なので、着ないことにした。あとで日焼け止めを塗ればいいだろう。

 由衣はささっと着替えを終えて個室をでると、自分が脱いだものを小脇に抱えて、美優のいる個室の前に立った。まだ着替えが終わっていないようだ。

「ねえ、まだ? お腹の肉が恥ずかしくて、でてこられないんでしょ」

 由衣が嘲笑しながらそういうと、それに反論するように、個室のカーテンが勢いよく開いた。ビキニを着た美優が、胸を張って立っていた。

 2人はなにもいわず、互いの体を舐めまわすように見た。

 由衣は正直なところ、期待を裏切られた。由衣の思い描いた光景では、美優がだらしのない体を晒してくれるはずだった。しかし目の前の美優は、存外スタイルがいい。だらしがないどころか、腰の位置は高く、女性らしくくびれ、肩はしおらしく、柔らかそうでしなやかな四肢をそなえている。

 由衣はなにもいわなかったというより、言葉を失っていた。

 だが、美優のほうはどうだろうか。

 美優は、由衣を睨んでから個室にはいった後、やはり壁越しの由衣に、届かぬ視線を送った。苛立つ気持ちを抑え、この日のために用意した水色のビキニを着ると、その自分の体を満足げに見下ろした。

 美優は、自分の体に自信があった。もちろん、顔にも自信はある。だが実際のところ、その顔は由衣と大差をつけるほどではないと自覚もしていた。それでも負けているつもりはなかったが、体ならどうだろうか。これは、圧勝だろう、そう確信していた。

(これを見たらあのチビ、なんていうかな)

 もうデブとはいえないだろう、と自分の水着姿を確認していると、ドアの外から、先の由衣の挑発する声が聞こえた。

 美優は自分の腹をなでた。恥ずかしいほど肉が付いているだろうか。そんなわけがない。

(あいつを黙らせてやる)

 そう思い、カーテンを勢いよく開けた。

 目の前には、由衣が立っていた。その由衣を見て、美優の自信は揺らいだ。

 美優は由衣の体を、小さくて丸い、マスコットのようなものと想像していた。きっとその幼児体系を晒してくれるものだと期待していたのだが、実物は思ったよりも女性らしい体をしている。

 丸く優しげな肩に、腰はしっかりとくびれ、脚も長い。全体のシルエットは、身長の高低以外では、美優との優劣はつけがたいだろう。

 だがそれよりも美優を不快にさせたのは、その存在感のある胸だった。体が小さいからか、その胸は不釣り合いに、やけに大きく見える。美優も胸は小さくはないと思っていたが、あるいは同じか、それ以上かもしれない。

 だが美優は、決して負けを認めるわけにはいかない。どこかを貶して、自分を上に立たせなければならない、そう思った。

「子供みたいだね」

 と、美優は由衣の頭から足まで視線を滑らせた。すると由衣はすぐ1歩前にでてきて、

「これが子供に見えるの? おデブさん」

 そう胸を突き出した。すかさず美優も1歩踏み出し、

「あんたこそ、どこを見たらデブっていえるの?」

 と、胸を張った。

 2人は視線をぶつけ合ったが、建物の外から男達の声が聞こえてきたので、待たせてはいけないと、急いで外にでた。

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ばっちばちですね!楽しみ〜

更新楽しみにしてました!
今後すごい気になります

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