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女の戦い 海 3

 水着姿の男達が、でてくる2人を迎えた。

「ごめん、待たせちゃって」

 由衣が申し訳なさそうにしている。それを見た男達は
こぞって慰めた。

 だが美優は、今日の主役は自分でなくてはならない、そう思ってこの日に臨んでいる。由衣にとられてはたまらない。

「ちょっと由衣がロッカーの操作で手間取っちゃってね」

 美優はそういうと、胸を突き出し両手を上げ、うんと伸びをした。

 男達は聞いているのかいないのか、空返事をしている。言葉の内容よりも体が気になるのだろう。

「美優だって着替えるの遅かったじゃん」

 由衣が美優の背中をぽんと叩いた。が、その叩いた手は離れず、背中の肉をひねりあげている。美優は鈍い痛みに声が漏れそうになるのをこらえ、その腕を掴んで下ろさせた。

 砂浜まで歩きながら、美優はどうにかして自分と由衣を比べさせて、その優劣を見せつけてやろうと考えていた。

 適当な位置を決めると、男達はシートを敷き始めた。全員が座れるように、複数敷き、その中央にパラソルを立てる。その作業の最中、美優は行動にでた。

「あ、そういえばさ」

 美優はそういって作業中の男達の視線を一旦集めてから、由衣の隣に立った。

「由衣の水着、今日のために買ったんだって」

 と、由衣の腰に手をまわし、ぐいっと引き寄せた。体が密着する。

(これでひと目でわかるでしょ)

 美優は男達の反応を待った。まさか露骨にはださないだろうが、自分に視線が集まるのを期待している。由衣が逃げないよう、がっしりと抑える。

 だが由衣も、逃げるどころか逆に同じように腰に手をまわしてきた。2人はしっかりと互いをとらえた。

 男達はどちらに気を惹かれただろうか。少なくとも美優には、自分のほうが注目を集めた自信があった。

 準備が終わると、男達は手始めにとはしゃぎながら高台に向かった。飛び込むつもりらしく、由衣と美優も誘われたが、ここで見ているからと、やんわり断った。

 日差しが強い。1本しかないパラソルの下に、2人は並んで座った。

「ねえ、いいなって思ってる人いるの?」

 由衣は高台で騒いでいる男達を指差した。当然、美優にいっている。このあたり、由衣はあっさりとしていた。

「うーん、いないかな。由衣はどうなの?」

 美優もそれにつられ、返答に特に険しさを見せない。由衣もいないと答えると、2人は天気がよくてよかっただのと適当な話を交わして、それから無言になった。

 時折、男達がこちらを見てくるので、2人はそれに合わせて笑顔で手を振った。

 満足したのか、男達が帰ってくると、今度はビーチバレーをすることになった。ビニールのボールを持ってきているようだ。これには2人も参加した。全員でわいわいと楽しんだ後、軽く海にはいって水遊びをした。

 一旦昼食をすませると、 2人はパラソルの下から男達がその辺ではしゃぎまわっているのを並んで見た。美優はただ座っているのも退屈なので、由衣と当たり障りのない会話をして時間をつぶした。

 やがて、どこから拾ってきたのか、30センチほどのプラスチックの棒を砂に突き刺して、ビーチフラッグが始まった。

 棒を刺した地点から20メートルほど離れ、フラッグと反対側を向いてうつぶせになる。そして合図とともに起き上がって走りだし、先に棒をとったほうが勝ち、シンプルな競技だ。

 2人はそれを笑顔で見ていたが、2人もやらないかと誘われた。

「おー、やるやる」

 由衣はすっと立ち上がった。こういう勝負ごとが好きなのだろう。当然、対戦相手は美優になる。2人の目がちらりと合った。

 美優は正直なところ、あまり乗り気ではなかった。だが断っては場をしらけさせるだろうと思うと断れなかった。

 由衣に続いて立ち上がると、棒からはなれたところで、並んでうつ伏せになった。

 由衣がちらちらとこちらを見てくる。牽制のつもりだろうか。だが美優はそこまで熱くはなっていなかった。

「よーい、どん!」

 合図があった。由衣が素早く起き上がったのに対して、美優は少し遅れた。その差がそのまま勝敗に繋がった。僅差で由衣が棒を掴んで掲げた。

「はい勝ちー」

 由衣は嬉しそうにその棒を振り回し、最後に美優を見てにんまりと笑った。

 始めは乗り気でなかった美優も、勝ち誇る由衣を見ているとなんだか悔しくなり、

「もう1回やろうよ」

 といった。由衣もそれを了承すると、2人はまたスタート地点へ並んでうつ伏せになった。

「負けたのが悔しかったんだね」

 寝そべった由衣が、美優を見ずにいった。美優は答えなかった。

 合図と同時に跳び起きた。ここでも美優は少し遅れた。

(しまった)

 そう思った美優は、走らなかった。合図をした男に向かって、

「今、由衣早かったよね?」

 と、由衣のフライングを主張した。由衣は、美優が走ってないことに気づくと、引き返してきた。美優に不満そうな顔を向けてきたが、美優はそれを黙殺し、スタート地点に寝そべった。

 すぐに由衣も横に伏せた。

「ちょっと、卑怯なことしないでくれる?」

「卑怯なのはそっちでしょ。フライングしたじゃん」

「完璧なスタートだったのに」

「完璧に反則だったね」

 ぐちぐちと相手を非難しあう。男が合図をしようとすると、2人は黙った。

「よーい、どん!」

 今度は、美優のほうがいいスタートをきった。棒に向かって走ったが、横に由衣がいない。振り向くと、由衣はスタート地点にいた。

「ちょっと美優、今早かったでしょ」

 という由衣の言葉が聞こえた。こちらを指差している。

 美優は舌打ちをすると、しぶしぶスタート地点に戻り、なにもいわずに寝そべった。

「ムキになっちゃって」

「そっちが先にやったんでしょ」

 2人は次の合図があるぎりぎりまで不満をたれていた。

 3度目は、2人ともほぼ同時に起き上がった。立ち止まらず、一直線に走った。

 足場が悪いためか、差はほとんどひらかなかった。本当に僅かではあるが、由衣のほうが前にいるか。2人はスピードを落とさず、棒までの距離を詰めると、手を伸ばして飛び込んだ。

 ほぼ同時に棒を掴んだ。ズサァ、と砂浜に2人の体が滑る。

 2人は素早く立ち上がった。美優は棒を持っている手を上げた。だが由衣も、その棒を握っていた。

「私の勝ちでしょ」

「私のほうが早かったけど」

 2人は決して手を離さず、睨む視線もはずさなかった。そうしながら、あいているほうの手で水着のずれを直した。

「ちょっと、離してよ」

「そっちこそ」

 2人は棒の奪い合いを始めた。

 男達はそんな2人を取り囲んだ。彼等は、2人の間にある敵対感情を知らない。少し熱くなっているだけだと思っているようで、争う2人を見ながらはやしたてた。

 だが、争いは次第に激しくなっていった。2人は砂浜に尻をつけると、足を相手の腹や股間に当て、ぐいぐいと押しつけた。それから由衣が砂を掴んで顔に投げつけてくると、美優は由衣の胸に手を伸ばし、ビキニのトップを掴んで剥ぎ取ろうとした。由衣はそれを懸命に防いでいるが、棒はまだ互いの手にある。

 ただならぬ気配を察した男達は、手分けして棒を奪うと、2人を引き離した。

 2人は、男に後ろから脇に手を通され、羽交い締めにされたまま引き離された。それでも怒りが収まらず、必死に脚を伸ばして蹴ろうとした。

「私が勝ったのに!」

「なにいってんの、私の勝ちでしょ!」

 わめく2人をどうすればいいのか、男達は困惑した。

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No title

待ってました!

最高です!

更新お待ちしてました!
ついにみんなの前でバトルですね!
この後が楽しみです

Re: No title

> 待ってました!

kさん、コメントありがとうございます。
一ヶ月以上おまたせしてしまいましたがこれからもよろしくお願いします。

Re: タイトルなし

> 最高です!

ジェッターズさん、コメントありがとうございます。
これからも更新頑張ります。

Re: タイトルなし

> 更新お待ちしてました!
> ついにみんなの前でバトルですね!
> この後が楽しみです

ぽんさん、コメントありがとうございます。
次はなるべく早く投稿しますのでよろしくお願いします。
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Author:デジタル
キャットファイトの小説を書いていこうかと思います。

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