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女の戦い 修学旅行 1

 「女の戦い」については今回の「修学旅行」を3話書いて完結させる予定です。本当はこの「修学旅行」の前後にいろいろ書きたい話はあったのですが、随分長く書いてしまっているので無理矢理完結させることにしました。そのため展開や終わり方が少々強引になってしまっているかもしれませんが、ご了承下さい。




 泣きながら歩いてきた美優を、男達は当然心配した。美優はそれをチャンスと見て、とにかく自分に都合がよく、由衣を悪者にしたてた話を吹聴した。由衣もそれと同じように反撃したが、決着はつかなかった。

 それから数日、メールや電話で男達に根回しの応酬が続いた。とにかく相手が悪いと主張して、自分の味方をつくろうとした。

 男達はこれをよく思わなかった。この争いに巻き込まれるのが面倒だと感じるものが多く、2人から距離をおくものが増えた。

 流石にまずいと思った2人は話し合い、互いに自重することにした。2人は目立った衝突を避け、普通の女子高生として過ごした。

 それから1年、これまでの平穏が戻ったと感じた男達は、また2人のもとに心を寄せるようになった。

 学年は1つ上がり、2年生になったが、クラス替えのない学校であるため、1年1組がそのまま2年1組になった。

 クラス中が修学旅行の話題でもちきりなったのは、2回目の夏休みも明けた頃だった。

 修学旅行にそなえて、生徒達は班に割り振られた。由衣は1班で、美優が2班にいれられた。修学旅行の日中は班ごとに移動したり、点呼をとることになる。が、その後、ホテルの部屋割は班とは関係ない。

 由衣と美優は同じ部屋だった。女子生徒の部屋は2つで、2人の他には、2、3、4組の女子3人の泊まる1部屋がある。とにかく2人は、3泊を同じ部屋で過ごすことになっていた。



 その修学旅行の初日、バスと新幹線を乗り継いだ移動では、2人の席は離れていたため、なにもおこらなかった。日中の観光は班ごとに別れていたため、ここでも問題はない。

 宿泊するホテルに着き、2年生全員が集められ、教師の話を聞いてから、荷物を置くために部屋の鍵が配られた。これから30分後に学年全体で夕食をとることになっている。

 部屋ごとに呼ばれ、鍵を受け取っていく。603号室、2人の部屋の番号が読み上げられた。

 由衣は、読み上げた教師のもとへ駆け寄る。美優もきた。

 由衣が教師の差し出した鍵を受け取ろうとした時、美優も同時に手を伸ばした。美優に睨まれると、流石にここではもめたくないと、由衣は手を引いた。

 部屋にはいって荷物を置くと、2人は適当に会話をしながら、これからのスケジュールを確認した。今日、残された予定は夕食だけだ。明日は朝の7時には集合していなければいけない。

 荷物の整理で時間を潰し、夕食の時間を待ち、2人で早めに部屋をでた。

 まだ時間があるため生徒の集まりはよくないが、女子生徒は5人全員揃っていた。その女だけで集まって喋っていると、2組の女が、

「そういえば大浴場があるらしいよ」

 と、いった。それをきっかけに、夕食後に5人で大浴場へいくことが決まった。

 学年全員が集まって夕食をとった後、2人は部屋に戻って入浴のための準備をして、着替えなどをもって大浴場の前へいった。ここで他の3人を待つことになっている。

 3人は同じ部屋に泊まっているため、一緒になってきた。それから5人で更衣室へはいった。他に人はいないようだ。

「貸し切りみたいだね」

 と、美優は浴場のほうをうかがっている。確かに、誰もいない。

 由衣が適当なロッカーの前に立つと、美優がそのすぐ隣にきた。由衣はむっとした。

 ここには当然だが男はいない。美優が張り合ってくることもないだろう、由衣はそう思っていた。だがわざわざ隣にくるということは、なにかしてくるに違いない、と警戒した。

 美優も同じように、男がいない状況ではなにもないだろうと思っていた。由衣の隣のロッカーを使うのも、美優としては深い意味はなかった。ただ離れたロッカーを使うのも嫌味に思われそうであるから、敵意はないという意味をこめて、ここを選んだ。

 だが由衣の態度はどうだろうか。自分が隣にきた途端に、露骨に表情を歪めたのを、美優は見逃さなかった。だがその不快さを隠して、たんたんと服を脱ぎ、裸になった。その時、由衣はまだ下着を身につけていた。由衣が自分の下着を脱ぐ前に、ちらりと美優の体を見てきた。

 美優も正直、由衣の体には興味があった。もちろん性的にではなく、ライバルとしてだ。

(水着の時はまあまあだったけど……)

 美優はそう思いながら、下着を脱ぐ由衣の体を横目で見た。

 裸になった由衣を見た美優は、自分の体に自信はあるものの、妙にスタイルのいいライバルに腹立たしさを覚えた。

 他の3人も脱ぎ終わったようだ。

 こうして見てみると、他の3人の体の貧相さ、スタイルの悪さはどうであろう。ますます2人の良さが際立つし、だからこそ美優は由衣のことが気にくわなかった。クラスメイトが由衣ではなく、この3人の誰かであったら、少なくとも1組の男は自分の思い通りだったろう、美優はそう思った。

 5人で浴場にはいった。淡い照明があるだけで全体的に暗く、奥に広い浴槽がある。

 まず体を洗い、全員で湯船につかった。浴槽の淵に1つ段差があり、そこに美優と由衣が並んで座ると、2人を挟むように他の3人も座った。座るとちょうど肩までつかる。

 5人で、今日あったことをだらだらと喋っていたが、しばらくすると4組の女がのぼせたといってでていってしまった。先に部屋に帰っているという。

 たしかに、湯が熱い。美優もそろそろ上がろうかと思い、立ち上がる。と、すぐに隣の由衣が鼻で笑ったのが聞こえた。なにを笑ったのか、自分の忍耐力のなさを笑ったのだと直感した美優は、すぐに座り直した。

(これだから体育会系は)

 呆れる思いだったが、負けたくもない。

 すぐに他の2人も上がっていき、2人だけが残された。美優は横目で由衣の様子をうかがっていたが、まだ上がる様子はない。

「いつ上がるの?」

 美優は手のひらで顔を拭った。

「美優こそ、そろそろ上がれば?」

「あんたが上がったらね」

 そこで会話が途切れた。

 美優は天井を見上げたり、首を回したりして気を紛らわせながら、由衣が立ち上がるのを待った。由衣も何度も手を動かしては顔中の汗を拭っている。

(なんなのこいつ、そこまでして)

 くだらない、そう思ってはいるが、かといって自分が先に上がろうとは思わない。

 どれくらいの時間がたっただろうか。気にはなるが、浴場には時計がない。更衣室までいけばあるが、見にいくわけにもいかない。

 じっと耐え続けた。指がふやけてきて、全身も真っ赤になっている。 だが、負けは認めたくない。

  隣を見ると、由衣も相当辛そうだ。やはり体は真っ赤で、顔は上を向いていて、口がぽかんと開いている。

 じっと横顔を見ていると、その顔がくるりとこちらを向いた。目が合う。由衣の目はうつろだが、美優も人のことはいえないだろう。

「ねえ、大丈夫?」

 美優は思わず声をかけた。

「そっちこそ、死にそうな顔してるけど」

 由衣はそういうと、美優の顔を指差してにやけた。自信ありげな表情を見せられては、美優も反撃せずにはいられない。

「あんただって人のこといえないよ」

 と、由衣の顔を指差した。由衣は黙って真上を見上げた。

 それからまだ耐えたが、流石に我慢のできる状態ではなくなってきた。

「ねえ、時間気にならない?」

 美優はそういうと、更衣室を指差した。

「見にいってくれば?」

 由衣は同じ姿勢のまま、口だけを動かした。

「2人で見にいかない?」

「じゃあとりあえず、引き分けってことにしといてあげる」

 由衣の返事の後、2人は立ち上がった。その拍子に、美優は強烈なめまいに襲われた。まともに歩けそうもなく、その場に立ち尽くした。

 その後ろで、バシャンと大きな音がした。見ると立ち上がったはずの由衣がまた座っている。立ってもいられないらしい。

 美優は由衣の手を引き、肩を貸して、2人はもたれ合いながら更衣室へ引き上げた。

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新たな場面これからたのしみです。
あと少しで終わってしまうのは寂しくもありますが、これから楽しみです!

「女の戦い」シリーズ、楽しませていただいてます!
あと少しで終わってしまうのは残念ですが、語られることの無いエピソードももし可能であればいつかスピンオフやリメイクといった別の形で見ることが出来たら嬉しいです!

ところで、負けず嫌いの由依も妥協出来るようになった一方、美優の方も由依に対し優しい一面を見せる様になった様子ですし....
ひょっとするとこれは和解フラグでしょうか?!時期も空いていますし、最初は由依も美優と仲良くしたがっていた上美優も勝負事でなければ優しいですし、それにこのライバル関係も最初のすれ違いが原因な訳で、案外この二人、これから先は上手くやっていけるのではないでしょうか?

Re: タイトルなし

> 新たな場面これからたのしみです。
> あと少しで終わってしまうのは寂しくもありますが、これから楽しみです!

 ぽんさん、コメントありがとうございます。きちんと書ききります。

Re: Re: タイトルなし

> > 「女の戦い」シリーズ、楽しませていただいてます!
> > あと少しで終わってしまうのは残念ですが、語られることの無いエピソードももし可能であればいつかスピンオフやリメイクといった別の形で見ることが出来たら嬉しいです!
> >
> > ところで、負けず嫌いの由依も妥協出来るようになった一方、美優の方も由依に対し優しい一面を見せる様になった様子ですし....
> > ひょっとするとこれは和解フラグでしょうか?!時期も空いていますし、最初は由依も美優と仲良くしたがっていた上美優も勝負事でなければ優しいですし、それにこのライバル関係も最初のすれ違いが原因な訳で、案外この二人、これから先は上手くやっていけるのではないでしょうか?
>
>  コメントありがとうございます。実はこの2人が社会人になってから再会する話しを書いて手元に置いているので、機会があれば投稿するかもしれません。高校生の2人のこれからは今のところ書く予定はないです。申し訳ありません。
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キャットファイトの小説を書いていこうかと思います。

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