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女の戦い 修学旅行 2

 更衣室には、やはり人はいなかった。椅子が1つだけあったので、美優は由衣をその辺に突き放して自分は椅子に座った。

 由衣はふらふらっと壁にもたれ、ぺたんと床に座った。特に文句をいうわけでもないのは、声をだす力もないのだろう。

 休んで体力が回復してきた美優は、タオルを浴場に置いてきていることに気づいた。由衣を見ると、やはりタオルは持っていない。

(持ってきてやるか)

 足にぐっと力をいれて立ち上がる。まだ少し頭がくらっとしたが、歩けないほどではない。浴場にはいり、浴槽の縁に置いてあるタオルを2枚、拾った。

 体が重く、服を着る気力も湧かない。どうせ他に人もいない、もう少し休んでからにするかと考えながら、更衣室にはいると、先ほどまで座っていた椅子に、由衣が裸のままで座っていた。

(こいつ、タオル取ってきてやったのに)

 美優は由衣のタオルを投げ捨てると、全身に力をこめて由衣を突き飛ばした。由衣がよろめきながら、床に転がった。

 美優がゆっくりと椅子に座ると、由衣も椅子を奪おうと、無理やり座ろうとしてきた。

 そこまで大きな椅子ではない。2人は椅子に尻をのせ、押し合った。

 だが思うように力がはいらない。譲るのも嫌なので、互いに相手を背もたれにした。

 どれくらい休んだだろうか、美優は体力を取り戻すと、服を着ることにした。

 ささっとジャージに着替えると、自分の荷物を持って更衣室をでようとした。だが、まだ裸でぐったりしている由衣が目にはいった。

 元気になると、とたんに嫌悪感が湧いてきた。こんなことになったのは誰のせいか、思いきり罵ってやりたかったが、話ができる状態ではなさそうだ。

 なにかないか、自分の荷物をまさぐっていると、ここにくるときに着ていた制服のポケットに、携帯電話があった。

(弱みを握ってやる)

 美優は携帯のカメラを起動すると、由衣に向けた。由衣の顔はぐったりと下を向いており、これに気づかない。

 パシャッ、シャッター音が広くない更衣室に響いた。美優の携帯の画面には、裸の由衣が写っている。

 シャッター音に気がついた由衣が、顔を上げた。どんよりとした表情で、こちらを見ている。美優はもう一度ボタンを押した。シャッター音がなる。

 由衣は一瞬険しい顔をしたが、これを咎める体力もないのか、なにもいわない。

 美優は更衣室を後にした。

 残された由衣は、もちろんなにをされたか分かっている。だが、なにもできなかった。裸を撮られた。悔しさで、涙が溢れた。それを拭う気にもなれず、ただ流れるに任せた。

 なんとか動けるようになってから、服を着て、部屋に戻った。部屋のインターホンを押すと、美優がでてきた。だが、なにをいう気にもなれない。

 自分の荷物を鞄の上に放り投げると、ベッドに倒れ込んだ。



 自分がいつ寝たのか気づかないほど熟睡した由衣は、ドライヤーをかける音で目が覚めた。美優が先に起きているようだ。

 昨日はなにもいえなかったが、こうして日をまたぐと改めて美優に対する憎悪が湧いた。だが下手なことをするとあの写真をネタに脅されそうだ。

 美優をひと睨みすると、淡々と準備を済ませて、一緒に部屋をでた。

 1日中、美優に仕返しをする方法を考えながら行動した。観光にも身がはいらない。

 何事もなく予定を消化し、昨日とは違うホテルにはいる。美優を刺激しないよう過ごし、夕食を済ませ、部屋の風呂にはいり、ジャージに着替えて、就寝時間までテレビを見て過ごした。

 教師が部屋にはいってきて就寝時間を告げると、2人は電気を消してベッドで横になった。

 美優に仕返しをするには夜しかない、由衣はそう決めて、携帯電話を枕元に置いておいた。美優が寝たところに襲いかかり、服を脱ぎ取って写真を撮る。そのためには脱がせやす服装で、無防備になる就寝時間を待つしかないだろう。

 由衣は眠らなかった。寝たフリをしながら、じっと待った。美優はとても静かで、全く音をたてない。起きているのか寝ているのか、判断がつかなかった。

 だが深夜1時になろうかという時、かすかに寝息が聞こえ始めた。

(今だ)

 真っ暗な部屋を足音をたてずにゆっくりと移動し、すぐ隣のベッドの脇に立った。予めカメラを起動させて、手探りで掛け布団の端を掴む。そして勢いよく、美優の足先へめくり投げた。

 おそらく美優は目を覚ましただろう。だが由衣は構わず、美優の上に馬乗りになった。服の裾を掴み、胸まで捲り、ブラジャーを鷲掴みにして片方の乳房を露出させると、すぐに携帯のボタンを押した。シャッター音と同時に眩しすぎるほどのフラッシュがたかれた。

 露出した乳房と、美優の顔が一緒に収まっている。だがまだ足りない。美優も抵抗を始めたが、由衣はくるりと後ろを向いて、今度はズボンとパンツのウエストを掴み、引っ張り上げてから股間を写真に撮った。できれば顔も一緒に移したかったが、それは諦めた。

「写真、撮ったから」

 由衣はそういうと、携帯を見せびらかすように掲げた。

 暗くて美優の表情をうかがうことはできないが、悔しそうな顔をしているに違いない。

 すぐに美優は起き上がって掴みかかってきたが、少し取っ組み合ったあと、意外にもすっと手を離し、ベッドに戻っていった。なにか考えがあるのだろうか、そう思って待ち構えたが、なにもないようだった。

 由衣は万が一に備えて、写真を自宅のパソコンにメールで送っておいた。



 3日目の朝、2人は驚くほど静かに目を覚まし、互いが見えていないのかというほど静かに準備をした。

 明日の昼には新幹線に乗って帰る予定になっている。2人が同じ部屋に泊まるのも、今日が最後だ。

 由衣は気を引き締めた。必ず、美優がなにかやってくるに違いない。今日1日、全く油断はできない。

 日中はなにも起きず、無事にホテルにはいった。山の中にあるホテルで、旅館のようなたたずまいだった。2人で部屋にはいったが、会話はない。夕食や風呂を済ませ、就寝時間をむかえた。

 テレビと電気を消して、ベッドにはいった。真っ暗でなにも見えないが、美優はすぐ右隣のベッドで横になっていることは確かだ。

 寝つけなかった。美優がなにか仕掛けてくる、その不安がある。

 美優は寝ているのだろうか、由衣は暗闇に目を凝らした。姿は見えないし、音もない。

 由衣はずっと顔を右に向けていた。右には美優がいるからなのだが、そのおかげか、なにか動く気配を感じた。確信はないが、美優が起き上がったのではないか。

(トイレかな?)

 そうも思ったが、2人がベッドにはいってから、まだ10分しかたっていない。就寝時間の前にはトイレを済ませていたはずだ。

 それに、音がほとんどしないのも疑問だった。嫌に静かで、あえて音をたてないようにしているようだ。まさか寝ている由衣に気を遣ってということはないだろう。

(こっちにくるんじゃない?)

 すぐそう判断した由衣は、布団から自分自身を抜くように、ゆっくりと起き上がり、物音をたてないように、ベッドの左側に降りた。

 驚いたのは美優だった。美優は夜中、由衣の目が暗さに慣れないうちに襲いかかると計画し、それを実行にうつしたのだ。

 就寝時間から10分が過ぎたあたりで、ゆっくりと布団をずらして、這うようにベッドから降りた。足音をたてないように歩き、隣のベッドの横に立つ。眼下に横になっているであろう由衣を見下し、静かに深呼吸した。が、この時すでに由衣は、ベッドをはさんだ美優と反対側に脱出してしまっている。

 美優はそんなことには気づかず、手探りで枕の位置を確かめると、由衣の体の位置を大体把握した気になり、まず首を抑えてやろうと、手を伸ばした。

 その手は勢いよく枕にあたり、分厚く柔らかい枕がわずかに音をたてた。美優はすぐ由衣がいないかもしれないと気づき、寝ているであろう場所にささっと手を滑らせた。やはりいない。

 気づかれた、そう思った美優はすぐに、ただ静かに、その場を離れた。どこかから由衣が襲ってくるかもしれない、先手を打たなければ、美優は焦った。

 だが焦ったのは由衣も同じだった。

 由衣は目の前の自分のベッドの枕が叩かれる音を聞き、美優がいると思い、手を伸ばした。だがあるのは枕と掛け布団だけで、美優はいない。

 ベッドに戻ったような気配もない。美優はこの部屋のどこかにいて、自分を襲おうとしている、そう思った。が、すぐに、それなら逆にこちらから仕掛けてやろうと思いなおした。

 とりあえず自分のベッドの近くにいては危ない、そう思った由衣はそこを離れた。

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非公開コメント

夜這い合戦、良いですね!
暗闇の中での取っ組み合いが楽しみです!

No title

素晴らし過ぎる。管理人さんツイッターで紹介してもいいですか?

Re: タイトルなし

> 夜這い合戦、良いですね!
> 暗闇の中での取っ組み合いが楽しみです!

コメントありがとうございます。残り1話もよろしくお願いします。

Re: No title

> 素晴らし過ぎる。管理人さんツイッターで紹介してもいいですか?

裏カツさん、コメントありがとうございます。
ありがたいお申し出ですので、全然大丈夫です。
これからも弊ブログをよろしくお願いします。

No title

早速紹介しました。
いままでの小説の中で1番です。

Re: No title

> 早速紹介しました。
> いままでの小説の中で1番です。

裏カツさん、コメントありがとうございます。
気に入ってもらえて嬉しいです。

更新ありがとうございます!
どんな結末になるか楽しみです!

Re: タイトルなし

> 更新ありがとうございます!
> どんな結末になるか楽しみです!

ぽんさん、コメントありがとうございます。
大した結末を用意してくて申し訳ないんですが最終話もよろしくお願いします。
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Author:デジタル
キャットファイトの小説を書いていこうかと思います。

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